この記事でわかること
- ROG Xbox Ally XをWindows PCとして使うと、7インチ画面やタッチ入力がどこで限界になるのか
- ChatGPTを使ったコーディング、4Kディスプレイ、eGPU接続を試して、何が実用になり何が不安定だったのか
- 約9か月使った結果から、携帯ゲーム機として買う人と軽量Windows PCとして期待する人の判断ポイント
ROG Xbox Ally Xを約9か月使って分かったこと
- この記事でわかること
- ROG Xbox Ally Xを約9か月使って分かったこと
- ROG Xbox Ally Xの主なスペック
- なぜROG Xbox Ally Xを購入したのか
- Windows PCとしての性能自体は悪くない
- 7インチ画面はPC用途ではやはり小さい
- コントローラーでのWindows操作は意外と便利
- ChatGPTを使ったモバイルコーディングは思ったより難しかった
- 携帯ゲーム機としてはかなり満足
- 4Kディスプレイにつないでゲームをすると一気に厳しくなる
- 2026年3月下旬、eGPUとGeForce GPUを購入
- AMD内蔵GPU+NVIDIA eGPUの安定化に苦労した
- 一番困ったのはWindows自体が止まること
- ケーブルやWindows設定までかなり試した
- 半年近く試した末、eGPUを諦めた
- バッテリーはWindows用途なら意外と持つ
- Xboxの名前から期待したほどソフトウェアの進化は速くない
- もう一つ気になるのが耐久性
- 約9か月使った現在の評価
- できることは多い。でも「全部できる」と考えない方がいい
2025年12月上旬、値上げ前に「ROG Xbox Ally X」を購入しました。
購入から約9か月。その間、携帯ゲーム機として使うだけでなく、Windows PCとして仕事に使ったり、ChatGPTを使ってコーディングしたり、4Kディスプレイにつないだりしました。2026年3月下旬にはeGPUとGeForceのGPUも購入し、デスクトップPCの代わりになるかまで試しています。
約9か月使った今の結論は、ROG Xbox Ally X単体にはかなり満足している一方で、購入前に期待していた「これ1台ですべてできるPC」にはならなかった、というものです。
特にeGPUは半年近く試行錯誤しましたが、今は使うのをやめています。この記事ではスペックを細かく比較するのではなく、購入理由からWindows PCとしての使い勝手、ChatGPTを使ったコーディング、ゲーム、4Kディスプレイ、eGPU、バッテリー、ソフトウェア面まで、実際に使って気づいたことを書きます。
ROG Xbox Ally Xの主なスペック
まずは、ROG Xbox Ally Xの基本スペックを確認します。
| 項目 | ROG Xbox Ally X |
|---|---|
| OS | Windows 11 Home 64bit |
| CPU | AMD Ryzen AI Z2 Extreme |
| CPU構成 | 8コア / 16スレッド |
| GPU | AMD Radeon Graphics(内蔵GPU) |
| メモリ | 24GB LPDDR5X |
| SSD | 1TB PCIe 4.0 NVMe / M.2 |
| ディスプレイ | 7インチ IPS |
| 解像度 | 1920×1080 |
| リフレッシュレート | 最大120Hz |
| 輝度 | 500nits |
| VRR | AMD FreeSync Premium |
| バッテリー | 80Wh |
| 無線LAN | Wi-Fi 6E |
| USB | USB4 Type-C×1、USB 3.2 Gen 2 Type-C×1 |
| 重量 | 約715g |
| ACアダプター | USB Type-C 65W |
CPUにはRyzen AI Z2 Extremeを採用し、24GBのLPDDR5Xメモリと1TB SSDを搭載しています。7インチのフルHD・120Hzディスプレイに加えて、80Whという携帯ゲーム機としては大きめのバッテリーも載っています。
USB4も備えているため、外部ディスプレイや高速な周辺機器をつなぐこともできます。 (ROG - Republic of Gamers)
2026年9月現在、ASUS公式ストアでの価格は169,800円です。 (ROG - Republic of Gamers)
私が買ったのは2025年12月上旬で、その後の値上げ前でした。今の価格を見ると、このタイミングで買えたのはよかったと思います。
なぜROG Xbox Ally Xを購入したのか
私は普段、MacをメインPCとして使っています。MacBook Airも持っているので、普通のノートPCを持ち歩くだけなら、それで大抵のことはできます。
それでもROG Xbox Ally Xに興味を持ったのは、「MacBook Airよりさらに小さくて軽く、それでいて高性能なコンピューターがあったら面白そうだな」と思ったからです。
もちろん、ゲームも理由の一つでした。自宅のコンピューター環境が長い間Mac中心だったため、Windows向けのゲームを遊びたいと思っても選択肢が限られます。『鳴潮』のようなタイトルも遊んでみたかった。
ただ、ゲーム以上に期待していたのが、Windows PCとしての使い方です。
購入前に考えていた用途
購入前は、ROG Xbox Ally Xで次のようなことができればいいと考えていました。
- 外出先では小型Windows PCとして使う。電車の中でブラウザやWindowsアプリを動かす。
- ChatGPTなどのLLMを使ってコーディングする。小型PCとLLMの組み合わせは面白そうでした。
- Windows向けゲームを遊ぶ。Macでは難しいゲームを持ち出して遊べる。
しかもUSB4を搭載しています。外では携帯PCとして使い、家に帰ったらeGPUをつないで高性能なデスクトップPCにする。そんな使い方までできるのではないか、と考えていました。
今振り返ると、かなり欲張った期待です。
Windows PCとしての性能自体は悪くない
ROG Xbox Ally Xを普通のWindows PCとして使う分には、不満はあまりありません。ブラウザを使ったり、Windowsアプリを動かしたりする程度なら、性能不足を感じることはほとんどありませんでした。
24GBのメモリを積んでいることもあり、「携帯ゲーム機だからPCとしては遅い」という印象でもありません。むしろ、このサイズで普通のWindows 11がそのまま動いていること自体が面白い。
ただ、実際に困ったのはCPU性能ではなく、別のところでした。
7インチ画面はPC用途ではやはり小さい
購入前から、画面が7インチであることは分かっていました。それでもWindows PCとして使ってみると、やはり画面は小さいです。
ゲームではそれほど問題になりません。ROG Xbox Ally X自体がゲーム用に設計されていますし、ゲームでは基本的にコントローラーを使います。
Windowsのデスクトップ画面になると話が変わります。ブラウザを開いたり、細かな設定を変更したり、複数のウィンドウを並べたりすると、7インチというサイズの制約がはっきり出ます。
タッチスクリーンで文字入力はできるが、長文は厳しい
タッチスクリーンを搭載しているので、ソフトウェアキーボードで文字を入力できます。短い検索キーワードやURLなら問題ありません。
ただ、文章を書いたりコードを入力したりするとなると厳しい。そこで外付けキーボードの購入も考えました。
ROG Xbox Ally Xと外付けキーボードを持ち歩くようになると、携帯性というメリットが少しずつ薄れてきます。それなら最初からMacBook Airを持っていけばいいのではないか、という話になるんですよね。この点は、今も最適解が見つかっていません。
コントローラーでのWindows操作は意外と便利
購入前に想像していたより便利だったのが、ゲームコントローラーを使ったWindows操作です。
ROG Xbox Ally Xでは、スティックでマウスポインターを動かし、本体のボタンでクリックできます。特に電車の中では、マウスを使うのは現実的ではありません。本体をゲーム機のように持ったまま、ポインターを動かしてアイコンをクリックし、ブラウザやアプリを操作できます。
ファイルを選ぶような作業も、文字入力がなければ意外とこなせます。マウスでできる作業なら、電車の中でもかなり使える。
これは普通の小型Windows PCにはない、ROG Xbox Ally Xならではのメリットだと思います。
ChatGPTを使ったモバイルコーディングは思ったより難しかった
もう一つ期待していたのが、ChatGPTなどのLLMです。ROG Xbox Ally Xを持ち歩き、外出先でLLMを使いながらコードを書く。購入前はかなり便利そうに思えました。
実際に使ってみると、ネックになったのは本体の性能ではなく通信環境でした。
ネックになったのは通信環境
外出先では、スマートフォンのテザリングを使うことがあります。ところが通信速度が1Mbps程度まで落ちると、ChatGPTを快適に使うのは難しくなります。
普通のWebページを見るだけなら何とかなる速度でも、LLMを中心に使うとストレスが出ます。ROG Xbox Ally X側の性能が足りていても、クラウドLLMを使うなら通信環境が必要です。当たり前の話ですが、実際に使ってみるまで見落としていました。
現在は自宅Macへのリモートアクセスも利用
そのため今は、ROG Xbox Ally Xだけですべてを処理することにはこだわっていません。Chromeリモートデスクトップなどを使って、自宅のMacへアクセスすることがあります。
ROG Xbox Ally Xを「すべてを自分で処理するPC」ではなく、「自宅PCへアクセスするための携帯端末」として使うわけです。これはこれで便利ですが、購入前に思い描いていた使い方とは少し違いました。
携帯ゲーム機としてはかなり満足
本来の用途ともいえるゲームについては、かなり満足しています。『鳴潮』のようにそれなりの性能が必要なゲームでも、ROG Xbox Ally Xの内蔵ディスプレイで遊ぶ分には快適です。
7インチという画面サイズはWindows作業では弱点になりますが、携帯ゲーム機としては十分です。120HzとFreeSync Premiumにも対応しています。 (ROG - Republic of Gamers)
ここまで使ってみて感じるのは、ROG Xbox Ally Xは「Windows PCとしても使えるゲーム機」と考えるとかなり優秀だということです。そこからもう一歩欲張ると、次の問題が出てきました。
4Kディスプレイにつないでゲームをすると一気に厳しくなる
ROG Xbox Ally Xは、USB Type-Cから映像を出力して外部ディスプレイにつなげます。 (ROG - Republic of Gamers)
Windows PCとして使うなら便利です。ところが4Kディスプレイでゲームを始めると、内蔵GPUの限界が見えてきます。
ROG Xbox Ally Xの本体画面は1920×1080ですが、4Kは3840×2160です。画素数だけ見ても差があります。『鳴潮』のような重いゲームはもちろん、私の環境では『ストリートファイター6』でもかなり厳しいと感じました。
そこで、「だったらUSB4にeGPUをつなげればいいのでは?」と考えました。ROG Xbox Ally Xを買ってから、ここが一番長い試行錯誤になりました。
2026年3月下旬、eGPUとGeForce GPUを購入
ROG Xbox Ally Xを買って約3か月後、2026年3月下旬にeGPU環境を導入しました。
目的は二つです。4Kディスプレイでゲームを快適に遊ぶことと、NVIDIA GPUを使ってLM StudioなどでローカルLLMを動かすこと。
これがうまくいけば、外ではROG Xbox Ally X単体、自宅ではeGPUをつないで高性能PCという、購入当初の理想に近づけます。
動いているときのeGPU性能には満足
実際、正常に動作しているときの性能には満足できました。ゲームでは内蔵GPUとは比べものにならないグラフィック性能を使えます。高精細な映像をリアルタイムで描画できるので、4Kディスプレイにつなぐ意味も出てきます。
LM Studioから外部のNVIDIA GPUを使って、ローカルLLMを動かすこともできました。この状態だけを見ると、「これこそ欲しかった環境だ」と思います。
ただ、性能とは別に大きな問題がありました。
AMD内蔵GPU+NVIDIA eGPUの安定化に苦労した
ROG Xbox Ally XにはAMDのGPUが内蔵されています。そこへ外部のNVIDIA GPUを追加するので、一つのWindows PCの中でAMD内蔵GPUとNVIDIA外部GPUを使うことになります。
しかもROG Xbox Ally Xでは、本体ディスプレイを表示する内蔵GPUの存在が重要です。AMD側を完全に無効化してNVIDIAだけ使えばいい、という単純な構成ではありません。
ドライバーのインストールや設定も含め、最初から簡単ではありませんでした。
一番困ったのはWindows自体が止まること
設定ができてゲームやLLMが動くようになったあとも、問題は残りました。
Windowsそのものが完全に止まることがあります。
ゲームだけが落ちるなら、まだ対処できます。しかしこの場合はOS全体が反応しません。強制的に再起動しても正常な状態に戻らず、動作が極端に重くなって復旧に苦労することもありました。
いつも起きるわけではないのに、正常なときはかなり快適です。だからこそ原因を絞り込むのが難しくなりました。
ケーブルやWindows設定までかなり試した
原因を切り分けるため、Windows側の設定を変えたり、電源管理を確認したり、GPUドライバーを入れ直したりしました。ChatGPTにも状況やログを伝えながら調べています。
「USB4やThunderbolt周辺の通信が不安定なのではないか」と考え、接続ケーブルも品質の高いものに交換しました。
それでも、私の環境では問題を完全には解決できませんでした。
半年近く試した末、eGPUを諦めた
2026年3月下旬にeGPU環境を導入してからも、断続的に問題の切り分けを続けました。
そして9月現在、eGPUとGPUへの投資はサンクコストとして扱い、これ以上追わないことにしました。
eGPUの性能が低かったわけではありません。正常に動いているときの性能には満足しています。問題は安定性です。
ゲームやLLMを使うたびに「今日は止まらないだろうか」と考えながらPCを使うのは、思った以上にストレスがあります。トラブルが起きるたびに設定を調べる時間も必要です。
それなら、ROG Xbox Ally Xは単体で使うと割り切った方がいい。そう判断しました。現在は、デスクトップPC代わりのeGPU運用も、eGPUを使ったローカルLLMも諦めています。
バッテリーはWindows用途なら意外と持つ
バッテリーは、用途によって評価がかなり変わります。
ROG Xbox Ally Xは80Whのバッテリーを搭載しています。 (ROG - Republic of Gamers)
Windows PCとして軽い作業をしている場合、私の感覚では思ったより持ちます。少なくとも、「携帯ゲーム機だからすぐにバッテリーがなくなる」という印象ではありません。
ただ、MacBook Air、特にApple Silicon世代のMacBook Airと同じ感覚で考えると持ちません。MacBook Airのバッテリー持続時間は、やはり別格です。
ゲームなら2時間程度を基準に考えた方がいい
ゲームをすると、バッテリー消費は大きく増えます。タイトルやTDP、画面輝度によって変わりますが、私の感覚では3時間程度持つ場合もあります。
外出先で使うなら、ゲームは2時間程度を基準に考えておくと安心です。
80%充電制限も利用できる
バッテリーへの負担を減らすため、充電量を80%程度に制限して運用する機能もあります。
80%までしか充電しなければ、外出時に使える時間は短くなります。その代わり、長く使ったときのバッテリー劣化を抑えやすい。15万円を超えるクラスの製品なので、できるだけ長く使いたい人にはありがたい機能です。
Xboxの名前から期待したほどソフトウェアの進化は速くない
もう一つ気になっているのが、ソフトウェア面です。
ROG Xbox Ally Xは単なる「ROG Allyの新型」ではなく、Xboxの名前を冠したMicrosoftとの協業製品です。Xboxフルスクリーンエクスペリエンスも大きな特徴として打ち出されています。 (ROG - Republic of Gamers)
そのため購入時には、MicrosoftとASUSがかなり積極的にソフトウェアを改善していくのではないかと期待していました。
実際に使ってみると、個人的にはアップデートのペースが想像していたほど速いとは感じません。現状でもゲームはできますし、Windows PCとしても使えます。致命的な問題ではありません。
ただ、「Xboxの名前が付いたことで、Windows携帯ゲーム機の体験そのものが急速に変わるのではないか」という期待については、少し先走っていたようです。
もう一つ気になるのが耐久性
現時点で、私のROG Xbox Ally Xが故障しているわけではありません。そのため、耐久性が低いとは言えません。
ただ、長く使うことを考えると気になる部分があります。ROG Xbox Ally Xは、PC本体とディスプレイとコントローラーが一体になっています。
一般的なデスクトップPCなら、コントローラーが壊れてもコントローラーだけ交換できます。しかしROG Xbox Ally Xでは、スティックやボタンも本体の一部です。
しかも2026年9月現在のASUS公式価格は169,800円です。 (ROG - Republic of Gamers)
気軽に買い替えられる価格ではありません。今後、スティックやボタンのような使用頻度の高い部分に問題が起きたら、修理にいくらかかるのかは少し心配しています。
故障が発生したら、そのときは改めて記事にしたいと思います。
約9か月使った現在の評価
2025年12月上旬にROG Xbox Ally Xを購入してから、試せることは一通り試しました。
購入当初は「MacBook Airより小さいWindows PC」として期待していました。ChatGPTを使ったコーディング端末としても使えるのではないかと思っていましたし、ゲーム性能にも期待していました。
2026年3月下旬にはeGPUまで購入し、自宅ではデスクトップゲーミングPCやローカルLLMマシンにするところまで試しています。
それでも約9か月使った今、いちばん満足しているのはROG Xbox Ally X単体で使うことです。
少し皮肉な結果かもしれません。
できることは多い。でも「全部できる」と考えない方がいい
ROG Xbox Ally Xは面白いコンピューターです。Windows 11がそのまま動き、ゲームもできます。本体だけなら約715gなので、普通のノートPCより気軽に持ち出せます。 (ROG - Republic of Gamers)
コントローラーを使ったWindows操作も意外と便利です。ただ、小さな画面で長時間PC作業をするのは厳しく、キーボードを追加すると携帯性が失われます。
クラウドLLMを外出先で本格的に使うなら、通信環境も必要です。内蔵GPUで4Kゲームまで求めるのは厳しく、eGPUを使えば性能は大きく上がりますが、私の環境では長期間安定して運用できませんでした。
ROG Xbox Ally Xを「何でもできるPC」と考えるより、「携帯ゲーム機としてかなり高性能で、必要ならWindows PCとしても使える」と考える方が、この製品には合っています。
私が購入時に本当に欲しかった「小さくて軽く、ゲームもLLMもデスクトップ用途も全部1台でこなせるPC」は、残念ながら手に入りませんでした。
それでも、ROG Xbox Ally Xそのものには十分満足しています。本体だけを持って出かけ、電車の中でWindowsを操作し、必要ならゲームまで遊べる。この体験は、MacBook Airとも普通のゲーム機とも違います。
万能機ではなかった。でも、小型Windows PC兼ゲーム機としてはかなり気に入っています。
約9か月使った現時点では、それがROG Xbox Ally Xに対する私の評価です。



