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竹中工務店IPLもどき

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1. 対象データ

  • 元データ:J-PlatPatより
  • レコード数:2,621件
  • 出願日レンジ:2015-01-07 から 2025-12-09
  • 実質分析期間:2015-2024年(2,613件)。2025年は8件のみで、公開ラグの影響が大きいためトレンド判断からは慎重に扱う。
  • ステージ:特許有効 1,527件、有効率 58.3%。
  • 共同出願:単独出願 2,270件、共同出願 351件。

2. エグゼクティブサマリー

竹中工務店の国内特実ポートフォリオは、建築構造・構法を中核にしながら、耐震・免制振、基礎地盤、施工生産、環境設備、DXを厚く持つ「総合建設技術の実装型」ポートフォリオである。有効特許ベースの最多テーマは「建築構法・外装・その他」660件で、FI上もE04B、E04H、E02D、E04Gが上位を占める。

2018-2020年に出願件数が高く、2020年の326件を山に、その後はやや低下している。ただしDX・AI・センシングは2020年に56件でピークを作った後も、2024年に30件と一定水準を維持しており、建設デジタルプラットフォームやAI活用の事業方針と整合する。素材・コンクリート・仕上げは2024年に18件、防火・防災・水安全は2024年に9件で、足元では安全・材料・実装ディテールへの寄り戻しも見える。

3. 技術テーマ別ポートフォリオ(特許有効ベース)

このセクションの「ポートフォリオ」は、ステージが「特許 有効」のものだけを集計した現在有効な権利群を指す。全件ベースのテーマ件数は、出願活動量・過去の技術探索を含む参考指標として outputs/tables/技術テーマ別件数_全件.csv に分けた。技術テーマは「発明の名称 + FI全文」を対象にした優先順位付きの単一テーマ分類であり、複数テーマタグではない。

技術テーマ 有効件数
建築構法・外装・その他 660
DX・AI・センシング 154
耐震・免制振・BCP 134
施工・生産技術 149
基礎・地盤・地下 122
環境・設備・エネルギー 163
材料・コンクリート・仕上げ 67
木造・木質化 45
防火・防災・水安全 10
維持管理・改修 13
用途特化・都市/ヘルスケア 10

3.1 全件ベースとの比較

技術テーマ 有効件数 総件数 有効率
建築構法・外装・その他 660 1090 60.6
DX・AI・センシング 154 270 57.0
耐震・免制振・BCP 134 251 53.4
施工・生産技術 149 247 60.3
基礎・地盤・地下 122 227 53.7
環境・設備・エネルギー 163 265 61.5
材料・コンクリート・仕上げ 67 126 53.2
木造・木質化 45 77 58.4
防火・防災・水安全 10 31 32.3
維持管理・改修 13 18 72.2
用途特化・都市/ヘルスケア 10 19 52.6

3.2 分類ロジック改訂の影響

DX・AI・センシングの汎用語マッチを抑制し、木造・木質化の「木」単独マッチを削除した。改訂によりテーマが変わった文献は165件で、そのうち改訂前にDX・AI・センシングだったものは127件、改訂前に木造・木質化だったものは2件である。

技術テーマ 改訂前_全件数 全件数 増減
DX・AI・センシング 396 270 -126
基礎・地盤・地下 227 227 0
建築構法・外装・その他 1051 1090 39
施工・生産技術 247 247 0
木造・木質化 79 77 -2
材料・コンクリート・仕上げ 118 126 8
環境・設備・エネルギー 188 265 77
用途特化・都市/ヘルスケア 16 19 3
維持管理・改修 17 18 1
耐震・免制振・BCP 251 251 0
防火・防災・水安全 31 31 0

4. 出願年を横軸とするクロス集計

4章から7章は、開発活動・出願活動を把握するため全件ベースで集計している。3章の有効特許ベースのポートフォリオとは目的が異なる。

4.1 技術テーマ × 出願年

技術テーマ 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025
建築構法・外装・その他 69 97 130 153 132 137 123 109 92 44 4
DX・AI・センシング 1 3 13 24 30 56 47 35 29 30 2
耐震・免制振・BCP 31 24 33 36 15 28 23 25 18 17 1
施工・生産技術 14 16 23 38 27 30 28 20 37 13 1
基礎・地盤・地下 25 29 25 22 29 17 14 23 23 20 0
環境・設備・エネルギー 25 28 20 31 35 32 26 21 30 17 0
材料・コンクリート・仕上げ 7 6 9 13 16 9 21 14 13 18 0
木造・木質化 4 4 7 10 15 7 5 7 10 8 0
防火・防災・水安全 2 2 1 2 2 2 3 3 5 9 0
維持管理・改修 0 2 6 0 0 6 2 1 1 0 0
用途特化・都市/ヘルスケア 5 2 3 1 2 2 1 1 2 0 0

4.2 FIメジャークラス × 出願年

FIメジャークラス 技術ラベル 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 合計
E04B 建築構造一般 66 79 99 122 109 99 104 77 97 54 1 907
E04H 特殊建築物・耐震 48 30 53 59 43 50 48 36 34 21 2 424
E02D 基礎・地盤 37 41 23 41 42 26 28 39 35 23 1 336
E04G 施工・仮設 19 30 43 52 30 44 38 29 23 14 1 323
F24F 空調・換気 20 25 17 28 32 22 17 17 20 9 0 207
F16F 制振・緩衝 19 10 24 27 21 30 22 24 16 7 1 201
G06Q 業務システム 0 4 9 16 12 31 27 20 19 20 1 159
E04C 建築部材 10 6 20 15 20 14 13 10 16 9 0 133
G06F 情報処理 0 2 11 13 18 19 14 11 4 4 0 96
E04F 仕上げ・内外装 5 2 9 12 13 8 9 18 6 5 0 87
C04B セメント・コンクリート 3 5 5 7 7 1 6 11 7 8 0 60
G06T 画像処理 1 1 2 3 7 13 8 5 6 5 0 51

4.3 キーワード × 出願年

キーワード 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 合計
施工 19 12 16 19 10 13 15 12 37 14 0 167
空調 12 12 10 17 18 13 4 7 8 2 0 103
コンクリート 6 3 7 11 16 14 13 7 14 8 0 99
免震 11 13 16 14 8 6 4 6 5 8 0 91
制振 8 4 8 9 4 13 10 10 3 5 1 75
基礎 8 10 3 9 11 6 5 11 6 6 0 75
木質 3 2 9 8 9 4 5 5 10 5 0 60
耐火 3 4 3 8 2 4 8 6 7 7 0 52
6 4 6 4 3 5 4 5 9 5 0 51
地盤 5 6 4 3 9 4 3 5 6 2 0 47
耐震 7 3 6 9 0 5 5 4 4 1 0 44
情報処理 0 0 0 2 3 8 7 5 3 6 0 34

4.4 共同出願カテゴリ × 出願年

共同出願カテゴリ 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025
単独出願 152 191 231 274 255 286 268 230 227 149 7
竹中グループ 10 8 7 7 2 6 2 3 0 0 0
素材・化学 0 1 4 2 5 0 3 0 5 14 0
建設・設計・土木 6 3 5 17 12 4 4 4 8 1 0
電機・IT・制御 0 0 1 1 7 2 3 8 3 1 0
大学・研究機関 2 0 2 1 6 2 2 4 3 3 0
その他企業 13 10 20 28 16 26 11 10 14 8 1

4.5 共同出願人上位20 × 出願年

共同出願先 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 合計
株式会社竹中土木 10 8 7 7 2 6 2 3 0 0 0 45
竹本油脂株式会社 1 0 1 2 4 0 1 0 2 5 0 16
日本製鉄株式会社 0 0 0 0 0 0 0 0 3 6 0 9
朝日機材株式会社 0 0 1 1 1 3 0 1 1 0 0 8
鹿島建設株式会社 1 0 0 3 2 0 0 2 0 0 0 8
株式会社東海理化電機製作所 0 0 0 0 0 0 0 7 0 0 0 7
ケミカルグラウト株式会社 1 0 0 0 3 1 0 1 1 0 0 7
三谷セキサン株式会社 2 0 2 0 0 1 0 0 1 0 0 6
HEROZ株式会社 0 0 1 0 1 1 1 1 1 0 0 6
センクシア株式会社 0 0 0 2 2 2 0 0 0 0 0 6
カシュー株式会社 0 0 0 0 3 0 0 0 0 3 0 6
株式会社レンタルのニッケン 0 1 0 1 0 0 0 4 0 0 0 6
株式会社カナモト 0 0 0 0 1 3 0 1 0 0 0 5
協立エアテック株式会社 0 1 1 1 0 1 0 0 0 0 1 5
株式会社デンソー 0 0 0 1 4 0 0 0 0 0 0 5
長瀬産業株式会社 0 0 2 0 3 0 0 0 0 0 0 5
ナガセケミカル株式会社 0 0 2 0 3 0 0 0 0 0 0 5
株式会社アクティオ 0 0 0 0 0 2 0 2 1 0 0 5
国立大学法人岩手大学 0 0 0 0 0 0 0 0 1 3 0 4
カヤバ システム マシナリー株式会社 3 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 4

5. FIから見た技術重心

FIメジャークラス 件数 技術ラベル
E04B 907 建築構造一般
E04H 424 特殊建築物・耐震
E02D 336 基礎・地盤
E04G 323 施工・仮設
F24F 207 空調・換気
F16F 201 制振・緩衝
G06Q 159 業務システム
E04C 133 建築部材
G06F 96 情報処理
E04F 87 仕上げ・内外装

E04B(建築構造一般)が907件で突出し、E04H(特殊建築物・耐震)、E02D(基礎・地盤)、E04G(施工・仮設)が続く。F24F(空調・換気)とF16F(制振・緩衝)が200件規模で並ぶ点は、建物の価値を「躯体性能」と「環境・快適性」の両面で権利化していることを示す。G06Q、G06F、G06Tも上位に入り、業務管理・情報処理・画像処理が建設プロセスに入り込んでいる。

FI件数は、1文献に付与された複数FIを展開した技術分類軸である。一方、3章の技術テーマは1文献1テーマの要約軸であるため、両者の件数は直接比較しない。

6. 近年のテーマ変化

2021-2022年合計と2023-2024年合計を比較し、変化は件数差ではなく変化率を主指標にした。母数が小さいテーマは率が大きく出やすいため、増減件数も併記して読む。

技術テーマ 2021-2022 2023-2024 増減件数 変化率
防火・防災・水安全 6 14 8 +133.3%
木造・木質化 12 18 6 +50.0%
基礎・地盤・地下 37 43 6 +16.2%
施工・生産技術 48 50 2 +4.2%
環境・設備・エネルギー 47 47 0 +0.0%
用途特化・都市/ヘルスケア 2 2 0 +0.0%
材料・コンクリート・仕上げ 35 31 -4 -11.4%
耐震・免制振・BCP 48 35 -13 -27.1%

変化率では、防火・防災・水安全、木造・木質化、基礎・地盤・地下が上位に出る。特に防火・防災・水安全は母数6件から14件への増加で率が大きく見えるため、絶対件数ではまだ小さい点に注意が必要である。一方、DX・AI・センシングは2021-2022年の82件から2023-2024年の59件へ減少したが、2024年単年では30件あり、テーマとしては継続している。

7. 共同出願・オープンイノベーション

共同出願先 件数
株式会社竹中土木 45
竹本油脂株式会社 16
日本製鉄株式会社 9
朝日機材株式会社 8
鹿島建設株式会社 8
株式会社東海理化電機製作所 7
ケミカルグラウト株式会社 7
三谷セキサン株式会社 6
HEROZ株式会社 6
センクシア株式会社 6
カシュー株式会社 6
株式会社レンタルのニッケン 6

共同出願先は竹中土木が45件で最多。次いで竹本油脂、日本製鉄、鹿島建設、朝日機材、東海理化電機製作所、HEROZなどが並ぶ。素材・化学、建設・土木、電機・ITの相手先が混在しており、ポートフォリオの外部連携は、材料、地盤、制御、DXを必要に応じて補完する実装型の連携と読める。

8. Web情報を踏まえたインサイト

竹中工務店は2025年12月にAutodeskと建設DXの包括連携を発表し、計画・設計・施工・運用の全工程でAI技術を使い、意思決定と品質・生産性を高める方向を示している。これは本データでDX・AI・センシングが2018年以降厚く、2024年にも一定件数を維持していることと整合する。

木造・木質化は件数では79件と中位だが、2025年の透明耐震壁、2026年のCLT制振壁「KiPLUS WALL DAMPER」など、耐震・制振と木質空間価値を接続する発表が続いている。特許上は「木造・木質化」単独テーマよりも、E04B/F16F系の構造・制振権利と組み合わさる領域が重要になりやすい。

脱炭素では、同社サイトが建物ライフサイクル、低炭素材料、ZEB、エネルギーマネジメント、木造建築を重点に掲げている。特許データ上の環境・設備・エネルギーは188件、F24Fは207件で、ZEBそのものの語は少ない一方、空調・熱・換気・電力制御など実装部品が権利化されている。2025年のZEB設計ビジネス表彰は、ツール標準化と設計実務の型化が評価された文脈であり、今後はDX系権利と環境設計ノウハウの接続が注目点となる。

9. 示唆

  1. 竹中工務店の強みは、構造・基礎・施工・設備を個別技術としてではなく、建物実装の組み合わせで押さえる点にある。
  2. DX領域は単なるソフトウェア出願ではなく、予約管理、工程案、評価支援、画像・センサ、施工・運用データの現場接続として見た方がよい。
  3. 木造・木質化は件数だけでは過小評価される。耐震・制振、接合、壁、外装、材料と横断して抽出すると、より戦略テーマとして見えやすい。
  4. 脱炭素/ZEBは文言ベースでは少ないが、F24F、エネルギー、材料、木質化、DX設計支援を束ねることで事業戦略との接点が見える。
  5. 共同出願は素材・化学、土木、IT、電機制御に広がっており、自前の建築実装力に外部の部材・材料・データ技術を接続する形が中心である。

10. 参照Web情報